塾友と以心伝心

塾友と以心伝心

大事件、かどうかは微妙だけれど、私にとっては結構な事件、というか結構な出来事だった事があります。それは高校2年生の冬。私は友人と冬季講習の合間塾のロビーで自習していました。もう何時間も、下手したら学校の友達よりも一緒にいる塾での友達。あ・うんの呼吸とまではいかないまでも、私たちの間にはなんとなく連帯感が芽生えていました。
 一人の男子が壊れた携帯を持っていました。コロコロとスクロールするタイプで、そのスクロール部分が壊れて、動かすにはコツがいる携帯でした。私たちは休憩もかねて、その携帯のコロコロを動かすことに全力をかけていました。今思うとなんてことに情熱を燃やしていたのかと。
 しばらくそれで休憩した私たちは、また自習を始めました。1時間くらいたったでしょうか。

    私はまたコロコロにチャレンジしたくなりました。ずっと朝から勉強していたからか、ぼんやりとしていた私は、『携帯かして』とも、何も言わず、ただ彼の机をトントントンと無言で叩きました。すると、その子も無言でこちらを見もせずに私の手に携帯をおきました。何事も無かったかのように私も無言で携帯コロコロにチャレンジしはじめたのですが。
     「いまの・・・すごくない!?どんだけ以心伝心してんだよ!!」
     とそれを見ていた生徒全員から突っ込まれ。結構人数がいたことから、ある種大騒ぎに。「以心伝心だ!!」「すごい!!」と。お互いよくよく考えるとすごいなって話になり。いやいや、テレパシーなんてないからねと盛り上がり。一時妙な以心伝心をした仲として、いろんな人から言われました。
     懐かしい思い出です。